相続した不動産を売却するときの手続き完全ガイド|名義変更・税金・売却の流れを解説
親や親族から不動産を相続したものの、「住む予定がない」「管理が大変」という理由で売却を検討する方は少なくありません。しかし、相続した不動産はすぐに売れるわけではなく、名義変更(相続登記)や税金の手続きなど、いくつかのステップを踏む必要があります。
この記事では、相続した不動産を売却するまでの流れを、名義変更・税金・不動産会社選びの3つの観点から解説します。
相続した不動産はすぐ売却できる?
結論から言うと、相続した不動産をそのまま売却することはできません。不動産の名義が亡くなった方(被相続人)のままでは、法律上、売買契約を結ぶことができないためです。まずは名義変更(相続登記)を済ませる必要があります。
相続不動産を売却するまでの流れ
相続した不動産を売却するまでの一般的な流れは、次の6ステップです。
- 相続人の確定:戸籍謄本を収集し、誰が相続人にあたるかを確認する
- 遺産分割協議:相続人全員で、誰がどの不動産を相続するかを話し合う
- 相続登記:不動産の名義を相続人に変更する
- 売却活動:不動産会社に依頼し、査定・買主探し(または買取)を進める
- 売買契約・引き渡し:契約を結び、物件を引き渡す
- 確定申告:譲渡所得が出た場合、翌年に確定申告を行う
このうち①〜③(相続人の確定・遺産分割協議・相続登記)を済ませないと、そもそも売却活動をスタートできません。まずは相続登記から詳しく解説します。
まず必要になる相続登記(名義変更)
相続登記とは、亡くなった方名義の不動産を、相続人名義に変更する手続きのことです。法務局に対して申請を行い、戸籍謄本一式や遺産分割協議書、固定資産評価証明書などの書類をそろえる必要があります。
注意したいのは、2024年4月1日から相続登記が義務化されたという点です。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記をしないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料が科される可能性があります。「そのうちやろう」と放置していると、思わぬペナルティにつながりかねません。
また、相続人が複数いる場合、遺産分割協議がまとまっていないと共有名義のままになり、売却時に全員の同意が必要になるなど手続きが複雑化します。早めに話し合いを済ませ、登記まで完了させておくことが、スムーズな売却の第一歩です。
相続登記は自分で行うことも可能ですが、戸籍の収集や書類作成に手間がかかるため、司法書士に依頼するのが一般的です。特に相続人が多い場合や、遠方に不動産がある場合は、専門家に任せた方が結果的にスムーズです。
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司法書士を探す売却時にかかる税金
相続登記が完了し、いざ売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、所得税・住民税がかかります。相続不動産の売却では、通常の売却にはない特有の制度もあるため、あらかじめ知っておくと税負担を大きく抑えられる可能性があります。
譲渡所得税の基本
不動産を売って得た利益には、所有期間に応じて次の税率がかかります。
- 売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下:短期譲渡所得(税率39.63%)
- 所有期間が5年超:長期譲渡所得(税率20.315%)
(いずれも所得税・住民税・復興特別所得税を合計した税率です)
相続した不動産の場合、所有期間は被相続人が取得した時点から通算されるため、親が長年住んでいた家であれば長期譲渡所得となるケースが多いです。
取得費加算の特例
相続税を支払っている場合、その一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」を使えることがあります。取得費が増えると譲渡所得が圧縮され、結果として税負担が軽くなります。
主な要件は次の3つです。
- 相続や遺贈により財産を取得していること
- その財産の取得者に相続税が課税されていること
- 相続開始日の翌日から相続税の申告期限(10か月)の翌日以後3年を経過する日まで(=相続開始から3年10か月以内)に売却していること
期限が明確に決まっているため、「売却するかどうか迷っている間に期限が過ぎてしまった」というケースも少なくありません。
空き家の3,000万円特別控除
親が一人暮らしをしていた家(空き家)を相続して売却する場合は、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」により、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度もあります。
ただし、2024年1月1日以降の譲渡からルールが一部変更されています。
- 相続人が1〜2人の場合:1人あたり最大3,000万円控除
- 相続人が3人以上の場合:1人あたり最大2,000万円控除に縮小
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることなど、建物・売却額(1億円以下)に関する要件あり
- 制度の適用期限は2027年12月31日まで
- 以前は売主側で耐震改修や取り壊しを済ませる必要があったが、改正後は買主が譲渡翌年2月15日までに耐震改修・取り壊しを行う場合も対象になった
なお、この空き家の特例と、先ほどの「取得費加算の特例」は併用できません。どちらを使った方が有利かは物件の状況によって変わるため、判断に迷う場合は税理士に相談することをおすすめします。
相続不動産の税金について相談できる税理士を探せます
税理士を探す不動産会社選びのポイント
名義変更と税金の見通しが立ったら、いよいよ売却先となる不動産会社選びです。相続不動産の売却では、通常の売却以上に次のポイントを確認しておくと安心です。
- 査定根拠が明確か:相場より極端に高い査定額を提示する会社には注意が必要です
- 相続物件・空き家の取り扱い実績があるか:名義変更が未了のケースや、古い建物・再建築不可物件などにも対応できるかは会社によって差があります
- 仲介と買取、どちらが向いているか:買主を探す「仲介」は高値で売れる可能性がある一方で時間がかかります。「買取」は不動産会社が直接買い取るため、早期の現金化が可能です。「相続税の納税期限が迫っている」「遠方の実家を早く手放したい」といった場合は買取も選択肢になります
大阪エリアで相続物件や空き家、事業用不動産の売却を検討している場合は、太陽住宅販売株式会社のような地域密着型の不動産会社へ相談する方法もあります。自社で不動産を直接買取しているため仲介手数料がかからず、古い建物や訳あり物件、名義変更が完了していない段階からの相談にも対応してもらいやすいのが特徴です。
専門家へ相談するべきケース
ここまで見てきたように、相続不動産の売却には複数の専門家が関わります。
- 司法書士:相続登記、共有名義の整理、必要書類の収集代行
- 税理士:譲渡所得の確定申告、取得費加算の特例や空き家特例の判断・適用
- 不動産会社:査定、売却活動、買取での早期現金化
「誰に何を相談すればいいかわからない」という場合は、地域の専門家をまとめて比較できるサービスを活用するのも一つの方法です。チカサポでは、お住まいの地域から司法書士・税理士を無料で検索できます。
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チカサポで専門家を探すまとめ
相続した不動産の売却は、①相続登記による名義変更、②譲渡所得税や各種特例の理解、③信頼できる不動産会社選び、という3つのステップを押さえることでスムーズに進みます。特に相続登記の義務化(2024年4月〜)や、取得費加算の特例・空き家の3,000万円特別控除には期限があるため、「そのうち」ではなく早めに専門家へ相談することが、結果的に手元に残る金額を最大化するポイントです。
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