遺言書の相談は誰にすべき?税理士・弁護士・司法書士の違いと選び方を解説

はじめに|遺言書を残すにも「相談先選び」が重要で
「もしものときに備えて遺言書を作っておきたいけど、誰に相談すればいいのか分からない…」
「親が遺言書を残しているけど、それをどう扱えばいいの?」
こうした悩みを抱えている方は年々増えています。
遺言書は、家族や相続人の間でトラブルを避け、ご自身の想いを確実に伝えるための法的手段です。しかし、その作成や保管、執行に関しては多くの専門知識が必要となり、税理士・司法書士・弁護士のいずれかに相談するケースが一般的です。
この記事では、あなたの状況に合わせた適切な相談先の選び方と、それぞれの専門家ができることを分かりやすく解説します。
遺言書とは?自筆・公正・秘密の3種類を知ろう
日本の遺言書には、主に3つの種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、どの形式を選ぶかで相談先も変わってきます。
自筆証書遺言
- 本人がすべて手書きで作成
- 2020年以降、一部パソコン印刷と押印でも有効
- 法務局での保管制度を利用すれば、家庭裁判所の検認が不要
- 費用がかからず手軽だが、内容や形式に不備があると無効になるリスク
公正証書遺言
- 公証役場で公証人のもとで作成
- 専門家が内容をチェックするため、法的効力が高く、安全性も高い
- 証人2名が必要
- 作成費用がかかる(財産額に応じて変動)
秘密証書遺言
- 内容を秘密にしたまま、本人が作成して公証人に提出
- 自筆でなくてもOKだが、手続きが煩雑
- あまり使われない
種類 | 作成方法 | 家庭裁判所での検認 | 費用 | 安全性 | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|---|
自筆証書遺言 | 本人がすべて手書き(法務局保管も可能) | 原則必要(保管制度利用で不要) | ほぼ無料 | △(形式ミスで無効の可能性) | ★★★☆☆ |
公正証書遺言 | 公証人が作成(証人2名が必要) | 不要 | 数万円〜(財産額により変動) | ◎(法的信頼性が高い) | ★★★★★ |
秘密証書遺言 | 本人が作成・署名し、公証役場に提出 | 必要 | 数千円〜 | △(発見・執行のリスク) | ★★☆☆☆ |
遺言書の相談ができる士業の違いと役割
「遺言書を作成したい」「遺言の内容を確認したい」
そう考えたとき、税理士・司法書士・弁護士のうち、誰に相談するのが最適かを整理しておきましょう。
税理士に相談すべきケース
税理士は、税金面での対策や相続税申告の専門家です。
こんな場合に適しています:
- 相続税の負担を減らすために、分割方法を工夫したい
- 財産の評価や税額シミュレーションを行いたい
- 複数の相続人に公平に分配しつつ、節税効果を最大化したい
たとえば、不動産を複数持っていて、誰にどれを相続させれば税金が最も抑えられるかといった分割設計のアドバイスは、税理士がもっとも得意とする分野です。
司法書士に相談すべきケース
司法書士は、登記や法的文書の作成に強い士業です。
次のような場面で頼りになります:
- 自筆証書遺言の文案作成や内容チェック
- 遺言書保管制度の代理申請
- 公正証書遺言の作成支援、証人の手配
- 遺言執行者として不動産の名義変更を行うケース
形式面での不備を避けたい、スムーズに保管・執行したいという方は、司法書士に相談することで実務的な安心感が得られます。
弁護士に相談すべきケース
弁護士は、法律トラブルを未然に防ぐ、または対処する専門家です。
以下のような状況では、弁護士への相談が最適です:
- 相続人同士でトラブルが起きそう(またはすでに起きている)
- 相続人以外の人に財産を遺したい(例:内縁の配偶者、介護してくれた子など)
- 遺留分請求を見越した対策をしたい
- 財産や人間関係が複雑で、法的リスクをきちんと整理したい
遺言書の効力を争いに強い形で残したい場合は、弁護士のサポートを受けるべきです。
状況別|あなたに合った相談先の見極め方
以下の表を参考に、自分に合った相談先を判断してみましょう。
あなたの目的・状況 | おすすめの相談先 |
---|---|
相続税の節税を考慮して遺言書を作りたい | 税理士 |
自筆証書遺言を形式ミスなく作成したい | 司法書士 |
公正証書遺言をスムーズに作成したい | 司法書士 |
相続人同士での争いを避ける設計にしたい | 弁護士 |
遺言内容が複雑 or 遺留分が問題になりそう | 弁護士 |
専門家が見つからないときは?|近くの士業を無料で探す方法
遺言書の相談は繊細な話題でもあり、信頼できる専門家を選ぶことがとても重要です。
でも、「どこに相談したらいいかわからない」「近くに頼れる士業が見つからない」という方も多いはず。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 遺言書はどのタイミングで作ればいいですか?
元気なうちに作成するのが理想です。判断能力が低下したあとでは、法的に無効になる可能性もあります。
Q2. 家族に秘密で遺言書を作ることは可能?
可能です。特に秘密証書遺言や、弁護士と相談して作成する方法があります。
ただし、執行時の混乱を避けるため、適切な保管や遺言執行者の指定が重要です。
Q3. 遺言書を見つけたらどうすればいい?
勝手に開封せず、家庭裁判所で検認の手続きが必要です(公正証書遺言は不要)。
不安がある場合は、弁護士や司法書士に相談しましょう。
まとめ:遺言書は「誰に相談するか」で結果が変わる
遺言書は、単なる書面ではありません。**人生最後の意思表示であり、残された家族への“贈り物”**です。
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どの専門家を選ぶかで、将来の安心感や円満さは大きく変わります。
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